留まることを知らない宝塚歌劇団内の壮絶ないじめ・パワハラに関する文春砲。第6弾が公開されました。
劇団内のパワハラ被害はタカラジェンヌだけではなかった。入団1年目の演出家も、先輩演出家によるパワハラが原因で志半ばで退団していました。
宝塚飛び降りは2人目だった「”ドーナツ”はパワハラの暗号」文春砲
宝塚いじめ第6弾「過剰労働とパワハラ」
演出家を志し、演出助手として宝塚歌劇団に入団したAさん。しかし宝塚歌劇団での仕事は常識の範囲を超えた激務でした。その頃からAさんは、Xへ仕事の愚痴をこぼすようになっていきました。
生徒は夜遅くまでお稽古を続けますが、バミリ作業等演出助手の仕事は生徒が帰ってからが本番。しかしそれは日付が変わる頃。労基署対策で部屋の電気を消すため、廊下の非常灯を頼りに明け方まで作業をしていたそうです。
Aさんが3つの公演を掛け持ちし多忙を極める頃、ある演出家からハラスメントを受けるようになりました。
上田久美子先生。読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞するなど、才能ある売れっ子演出家です。その反面、異常なまでに暴言を吐くため、陰では「サイコパス」とも呼ばれている存在だったそう。
Aさんは上田氏からLINEで大量の指示を受け、叱られ続けた。〈4小節の後の音量は自分で聞いてみてあれでいいと思ったの?小さすぎて興ざめになると思わない?〉〈私が生徒ならそんな演出助手も、その人が演出家になるのもイヤ〉その詰問調な責め方で休日にも連絡が届き、Aさんのメンタルを追い込んでいきました。
Aさんは劇団にパワハラ被害を訴えるも真剣に捉えてもらえず、うつ病を発症。しかししばらく休職し劇団に戻って来ました。戻って来たAさんに対し、上田氏は「どの面下げて戻って来たの。向いてないから、やめた方がいいんじゃない」と暴言。
この頃から、現役タカラジェンヌたちからも「もう上田先生とは一緒に仕事したくない」という声が聞こえ始めました。タカラジェンヌの労働組合的な集まりの総会でも上田氏によるパワハラが議題になったこともあるよう。それだけ演者・裏方構わずキツイ態度を取っていたのでしょう。
しかし結局劇団はきちんとした調査をせず、上田氏には理事長からの口頭注意のみで事を終わらせた。やっぱり劇団の対応には問題がありすぎます。結局、Aさんはその後退団してしまいました。
宝塚パワハラ「タカラジェンヌのプライドを踏みにじる」
劇団の注意を受けつつも、上田氏からのパワハラは翌年も続きました。Aさんが退団し、ターゲットは当時星組トップスターだった紅ゆずるさん。
2019年1月当時、星組は宝塚大劇場で「霧深きエルベのほとり」の公演をおこなっていました。連日公演が終わるや否や、上田氏は生徒専用の大部屋に押しかけで紅さんにダメ出しを浴びせまくった。酷いときには16時から22時までぶっ続けでダメ出ししていたのだそう。
そのダメ出しも「過去に同じ役を演じた順みつきさんの真似をしろ」と、タカラジェンヌのプライドを踏みにじるような発言ばかり。紅ゆずるさんはこの時どんな苦しい思いをしたのでしょうか。
宝塚やはり隠ぺい体質「口止め料は痛くない」
志半ばで退団した1年後、Aさんは精神的苦痛を受けたと劇団に慰謝料を請求しました。すると劇団は即座に謝罪し約500万円もの見舞金を用意。演出助手時代の年収の2倍ちかくの額だったそうです。
謝罪と見舞金、さらに劇団に「二度とハラスメントが発生しないように安全配慮義務を尽くす」と誓約させたAさん。劇団はこの条件に「第三者に口外しない」と言う点も加え一件は収束することとなりました。
慰謝料請求に対し、即座にお金を差し出す。口外しないことを条件に加える。収束はしたものの、やはり劇団の隠ぺい体質が顕著に出る騒動であったことは間違いありません。
なお上田氏は2022年に退団しており、現在はフランス留学中。Aさんの同期には突然失踪し、今も連絡がつかない人がいるのだそう。宝塚歌劇団のイメージがどんどん悪くなる一方ですが、この先どうなってしまうのでしょうか。
「清く、正しく、美しく」とはかけ離れた存在になりつつあります。
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