現役タカラジェンヌ有愛きいさんの飛び降り自殺事件と、劇団の隠ぺい体質が団員やファンの不安や不満を搔き立てている宝塚歌劇団。
週刊文春では有愛きいさんの自殺の裏側や劇団内のいじめ問題、過去の飛び降り自殺未遂について報じられてきましたが、10/25の文春電子版では内部説明会の音声が公開されました。
説明会ではロボットのような木場理事長の話や、どこか他人事のような、有愛さんも悪いというようなベテラン組長の意見が。有愛さんの同期は涙を流しながら勇気の訴えをしました。
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有愛きいは宝塚歌劇団に殺された?パワハラと過労で精神崩壊 文春
宝塚内部説明会音声が胸糞「上辺の話し合い」
有愛きいさんが亡くなったのは9/30、それから木場健之理事長が各組の生徒たちに直接説明をおこなったのは1週間も後になってからだったそうです。
木場健之理事長は月組への説明会で、カンペを読む感情の無いロボットのように話しました。
「私たちの時にはなかった規則が今はあったり。変えていくべきことは変えていかないといけない。組として必要じゃないものを全て排除していきたいんです」
「自分が言われたときに『こういう言い方されて嫌だったな』と思うことは、下(下級生)にもしないほうがいいし。間違ったら間違った本人が悪いんです。上級生の教え方が悪いかもしれないけれど、間違った本人が悪い。何でも全部教えてもらうんじゃなくて、自分たちで考えることをして、自分たちでちゃんと行動をできるようになってほしい
「もう少しお互いが気持ちを考えることができたら防げるんじゃないかなって思ったので。今日のその集まる前の雰囲気に、私は本当にびっくりしました。それがちょっと悲しかったってことを言いたかっただけなんですけど。すみません」
「本当に同期生だったりとか生徒たちっていうのはすごいショックでした。でも、“温度差”があるのは仕方がないと思うんだ。他人事じゃないと思う。もしかして自分がすごく悩んでいたとしたらって思うと、他人事じゃないなって思うし」
「温度差があるのは仕方ないと思う」という発言。組長として、トップの中の一人としてこの意見はいかがなものなのか。他人事じゃないとは言っているものの、その発言が逆に他人事のように思っていると感じてしまいます。説明会後、多くの若手は上級生との温度差に信じられないと更にショックを受ける声があったそうです。
劇団側・上級生はとにかく早くこの騒動を終わらせて公演をしたいという思いなのでしょう。そんな考えの人の演技で見る人を魅了できるのか、
芹香斗亜、松風輝のパワハラが酷い「39度の発熱でも舞台へ」
有愛きいさんいじめの主犯のひとりとも報じられている芹香斗亜さん。有愛さんが亡くなった翌日にも「頑張ろう!」と下級生たちに檄を飛ばしたとされています。「17年間やってきて、もう一度羽根を背負って舞台に立ちたいねん」と主張を続けているよう。
宙組と花組の合同練習の際もそれは同じで、笑顔で「今日も頑張ろうね!」とガッツポーズを繰り返します。宙組生はそんな彼女に媚びへつらい、顔色を窺っていましたが、これも立派はパワハラの様に感じます。もしくは「フキハラ」こと不機嫌ハラスメント?
花組の生徒からすれば鳥肌もののように感じたそうです。そりゃそうですよね。
また有愛さんいじめの主犯のひとり、松風輝さん。彼女のパワハラ発言も明るみになっています。
今年7月にお披露目となった「Xcalibur エクスカリバー」。7月下旬に芹香斗亜さんがコロナに感染し、組内で体調不良者が続出しました。しかし組長である松風輝さんは「劇団にも外部にも絶対言うな。劇団の診療所ではなく各自で病院を探して行け」と下級生に銘じていた。
半分近くの生徒の陽性が確認されたものの、松風輝さんが「体調が悪くても出ろ」と強行突破させた。39度の熱でも舞台に立った生徒もいたそうです。
先ほどの梨花ますみさんと同様、組長としての意識が違う方向を向いているような発言です。こんな言い方をされれば、下級生は休むことができないでしょう。ましてや感染症であれば、観客への影響も懸念される。劇団は例に習って、この対応を事実無根と否定しています。
しかし宙組生は『休んだらキキさん(芹香のこと)や組長から何を言われるかわからない』と嘆き、その圧力で劇団には本当のことを言えなかった。『5類感染症』に移行して以降、劇団は体調不良の自己申告があった場合に検査を行うのみ。申告しなければ、いくらでも誤魔化すことができた」と証言しており、こういった点も下級生たちを心身ともに追い込む原因になっていたようです。
宝塚メンタルケアが杜撰「形だけのヒアリング」
劇団の会見では、外部の調査チームを作り、カウンセラーも増員すると話していました。→宝塚歌劇団会見全文「加害者・被害者はいない、イジメは無かった」
しかし蓋を開けてみるとやはり杜撰だった劇団の対応。調査開始当初は「調査は1人30分で行う」という旨の説明をし、形だけの調査をするという意図が見え見えの言動に、非難が殺到しました。たった30分で、それぞれの気持ちが分かるはずがありません。
現在は劇団のプロデューサーが調査を行うことも多くあるようです。しかし舞台を作る側のプロデューサーに対し、上級生や劇団に対する不満を話すことは難しいと生徒からの意見。それも当然です。しかも理事長や組長が同席することもあるのだとか。配役など自身のキャリアへの影響が大きく、本当に思っている部分を話すことができない。圧力だと感じる生徒も少なくなく、それがさらに生徒を悩ませているようです。
内部説明会の音声で有愛さんの同期の方も話していましたが、今回の事件は劇団内の悪しき習慣を改善していく最大のチャンス。宝塚歌劇団の未来がかかっている局面であるはず。それなのに結局劇団側の隠ぺい体質と「出来るだけ大事にせず、話題が去るのを待ちたい」というような考えが全く変わっていない。宝塚歌劇団の未来は暗くなる一方ではないでしょうか。
宝塚歌劇団いじめは引き継がれる「先生さえも共犯者」
前回の文春では”フェルマータ”や”ドーナツ”がイジメの暗号だと報じられました。→宝塚飛び降りは2人目だった「”ドーナツ”はパワハラの暗号」文春砲
元タカラジェンヌで公認心理士の東小雪氏の頃は”シメ””セレモニー”という暗号があったのだそう。時には何十人もの人に囲まれて大声で人格否定されることも。こんなことをされたら精神的におかしくなってしまいそうです。
東氏は劇団の構造の問題をこう指摘しています。
いじめの被害については、芹香斗亜さんも経験があるのだそう。「永遠の2番手」と呼ばれていた芹香さんは、当時のトップスター真風涼帆さんから強く当たられることが多かった。時期トップに芹香さんの就任が発表された際も、下級生には真風さんが威嚇し盛大な祝福ムードにはならず悲しい思いをしたという経験があるとのことです。
過去のスター達も酷い扱いを受けていたことを話しています。→宝塚いじめで有名OGも失神の過去「陰湿な嫌がらせは悪しき伝統」
それならどうして同じ痛みを後輩にもさせてしまったのでしょうか。悪しき伝統はいつだって無くせばいい。それくらいの勇気と行動力がある人こそが本物のトップスターであるはずです。
東氏はイジメの有無を調査しても劇団は変わらない、根本の暴力構造を断ち切らねばと話しています。「あの厳しさがあったからスターになれた」と美談にするのではなく加害者に向き合うべき、とも。
いじめ問題は重要な人権問題。生徒の人権が守られない劇団に対して、伊藤園、NTT西日本、Visaなどのスポンサーがどのような態度を示すのか。ジャニーズ問題同様、外部からの指摘が無ければ宝塚歌劇団は変わっていかないのかも知れません。
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